被相続人には3人の息子がおり、次男は被相続人よりも前に亡くなっていた。次男には、2人の子がいた。被相続人は、長男にすべての遺産を相続させる内容の遺言書を書いていた。
被相続人が亡くなり、長男は遺言書によって相続手続きを完了したが、その後、次男の子2人から遺留分侵害額の請求を受けた。
次男の子2人の遺留分は、それぞれ12分の1ずつであった。

長男が相続した遺産には、土地が含まれており、被相続人は、その土地を第三者に使用貸借で貸し、第三者は自宅を建てて暮らしていた。
土地の評価が問題となった。
一般的には、土地の評価額を考えるにあたって、①固定資産評価額、②相続財産評価額、または③時価額のいずれかによることになる。本件では、③の時価額である2500万円によることとなった。

次に、借地権割合が問題となったところ、使用貸借の場合、裁判実務で土地価格の10パーセント程度と考えられていることから、時価額から10パーセントを引いた金額である2250万円で評価することとなった。
土地の評価で合意できたため、遺留分侵害額についての和解が成立し、依頼者が相手方2名に対して、遺留分に相当する400万円ずつを支払って解決となった。