2人の兄弟が相続人という事案で、兄の方からの相談であった。
依頼者は、会社経営であったところ、被相続人との間で土地賃貸借契約を締結して、被相続人名義の土地上に会社名義の建物を建築していた。毎月、地代も支払っていた。
この被相続人名義の土地を遺産分割するに当たって、その価値をどのように算定するか問題となった。
一般的には、土地の評価額を考えるにあたって、①固定資産評価額、②相続財産評価額、または③時価額のいずれかによることになる。本件では、③の時価額によることとなった。
本件では、さらに、会社名義の建物の借地権を考慮して時価額の減額をすることが考えられた。借地権割合が60%認められる土地であるため、時価額2000万円の底地割合40%に減額した800万円で評価すべきであると提案したところ、相手方もこの要求を受け入れたため、円満な話し合いによって遺産分割協議書を成立させることができた。