母親が亡くなって2人の兄弟が相続人となったという事案で、兄の方からの相談であった。
依頼者は、母親が亡くなるまで同居して生活の面倒を見ていた。
母親は亡くなる約10年前からアルツハイマー型認知症の診断を受けて要介護1の認定を受け、さらに約8年前に大腿骨骨折で足を悪くして要介護2の認定を受けていた。
依頼者は、母親がアルツハイマー型認知症と診断されてから、妻とともに毎日母親を介護をしていた。具体的には、食事や掃除や洗濯を行っており、特に室内やベランダで用を足してしまうことがあり、その大便小便の後始末が大変であった。
母親はデイサービスに週3回通っていたところ、約5年前から徘徊が始まってしまい、デイサービスの日には徘徊している母親を探すことが毎回であった。
依頼者は毎日5時間の介護を担当していたものであり、介護ヘルパーの平均日当7000円を当てはめて、約1000万円の寄与分を主張した。
相続財産は3000万円ほどであったため、みなし相続財産額を2000万円と算出し、その2分の1である1000万円ずつの遺産分割を提案した。
その結果、話し合いによって、弟が依頼者から1200万円の支払を受けるという内容で遺産分割協議書を締結することができた。